これは父親が残したカメラで、うちにある一番古いカメラです。
二眼レフのRolleiflexは今でも生産されており、プロやハイアマチュアの一部で根強く支持されていますが、このカメラはそのRolleiflexが最初に作った、"Rolleiflex Original"というカメラで、1929年に登場したものでドイツ製です。基本的な構造は、現在も生産されているものと変わっておらず、二眼レフタイプのカメラの始祖と言えます。
昔、父親から聞いた話だと、当時、かなり借金をして買ったそうです。今となっては詳しくは分かりませんが、1950～55年頃ではないでしょうか。
その後一眼レフに時代は変わり、私が物心ついてからは、このカメラで写真を撮っている父の姿を見た記憶はないのですが、父親も思い入れがあったのか、新しいカメラを買っても手放さずに持ってました。
父親が他界してからは、そんないきさつを父親から聞いていた事もあり私が保管していたのですが、そうこうしている内に私も古いカメラに興味を持つようになりました。
それで、ある日引っ張り出していじっていると、ピントを合わせるミラーに腐食はあるものの、ピントも合うしシャッターも切れる事に気がつきました。埃はかぶっていましたが、カビも生えていませんでした。
「これはもしかしたら写真が撮れるかも知れない・・・」と思い、使い方や使うフィルムの事等をネットやカメラ屋さんに聞いて調べ、試しに写真を写してみました。すると驚いた事に、なんとちゃんと撮れました。非常にシンプルな構造なので壊れるところが少ないのだと思いますが、それにしても驚きました。たぶんこのカメラで写真を撮ったのは40年ぶり位だっただろうと思います。
１枚目は40年ぶりに撮ったフィルムの中の1枚です。ちょっとピンぼけなのと、白黒用の黄色いフィルターをつけたままカラーで撮ってしまったので色が黄色味がかってしまっているせいもあって、なんとも懐かしげな感じです。写っているのは末娘で当時２歳位でしょうか（父親からは孫ですね）。
２枚目はブドウ畑で撮ったもので、とても気持ちの良い場所でした。
現代のレンズと違い、あまりコントラストの強くない穏やかな写りだと思います。このカメラが作られた当時は、カラー写真なんて無かったと思いますが、これはこれで味がある様に思います。
いつかこの写真機（カメラというより写真機の方がピッタリですね）で、家族の集合写真を写してみたいと思います。
